個人メディア「OVERKAST」としての最後のポスト。そして「ÉKRITS / エクリ」という新しいメディアのご紹介。
これまで三年とすこしの間、「OVERKAST」で目論んできたのは、デザイン周辺のテキストを回遊しながら、それをデザインの「実践」に結びつけていくことでした。それがタグラインの「理論のインストールと転回」に込められていたわけです。
しかし記事を更新しながら気がついたのは、あるテーマに対する「理論」よりも、それを選びとる「思想」の方に、ユニークさがあることでした。「理論」は正当性や有用性を保証するためものでしかない。それ以上に、テーマが欲望の対象であり、快楽がともなうことが、メディアの価値だと感じるようになりました。客観から主観に向かうほど、メディアはメッセージからマッサージになっていくのかもしれません。
そしてこの意志を継ぎ、近日「ÉKRITS / エクリ」というメディアを立ち上げます。今までの投稿は、「OVERKAST アーカイブ」として存続されますが、今後「OVERKAST」はビジネス活動のための名義となります。
「OVERKAST」は、ビジネスにおいてデザインを「実践」する事業体。「ÉKRITS / エクリ」は、日常の「経験」におけるデザインの「思想」を記録するメディア。「ÉKRITS / エクリ」は、わたしの会社である「OVERKAST」によって、数名のスタッフとともに運営されますが、発行人であるわたしの独断と偏見によって、ビジネスから切り離した言論が展開できる場所に、育てていきたいと考えています。
くわしい話は、「EKRITS / エクリ」に書いていきますので、今回はこのあたりで。
「EKRITS / エクリ」に関する情報は、こちらのWebサイト(現在はニュースレターの購読申込フォーム)と Facebookページ、および Twitter にて提供していきます。
これまでご拝読いただいた皆さま、どうもありがとうございました。そして一旦、さようなら。これからも引き続き、「EKRITS / エクリ」をよろしくお願いいたします。
大林 寛